あなたの考える「音楽の未来」とは?Music Hack Day Tokyo 2015レポート

2015.08.31

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8月22日、23日の2日間に渡って、音楽ハッカソンイベント『Music Hack Day Tokyo 2015』が開催されました。
テーマは、あなたの考える「音楽の未来」。音楽の新しい可能性が垣間見えたイベントの全体像を、まとめ形式でお伝えしていきます。

そもそも“ハッカソン”って?

コンピューターのエンジニアリングを表す「ハック」と「マラソン」を合わせた造語である「ハッカソン」。この“Music Hack Day”は、海外ではアメリカとヨーロッパを中心に2009年から開始されている有名なハッカソンで、日本では去年初、今年2回目の開催となります。参加者のゴールは24時間以内に、音楽の未来を感じさせるプロダクトを作り、プレゼンすること。アイデア、エンジニア力の高さはもちろん、体力も必要となるイベントです。

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どんな人が参加しているの?

音楽に興味を持つ、エンジニアやデザイナーから、ミュージシャンまで幅広い参加者が見られました。今年は、初年度開催の倍の数、約200名の応募があり、会場スペースなどの制約上、抽選で選ばれた130名が参加。応募は「チーム参加」と「個人参加」の2パターンで、個人参加者は、それぞれ自分のアイデアを発表しあい、デザイナーやエンジニアといった必要な構成メンバーを集めてチームを組んでいきます。最終的には合計27チームが凌ぎを削り合いました。
ちなみに男女比は7:3ほどで、通常のハッカソンイベントと比べると女性の比率が多いとのこと。運営側としては「音楽」のハッカソンなので、女性の感性を活かしたアイデアが出ることを期待していました。

150830-MS-00200524時間のハック終盤、プレゼンを前に最後の詰めをする参加者たち

どうやってプロダクトを作っていくの?

『Music Hack Day Tokyo 2015』では、25社からAPIと呼ばれるソフトウェアやデータの解放、最新のデバイスなど合計46の技術が提供されました。参加者はこれらをハックの材料としてプロダクトを作っていきます。

今年の東京開催での大きな特徴は、デバイス企業と楽器メーカーの参加が多かったこと。特に目立ったのは、YAMAHAのボーカロイド関連のAPI「VOCALODUCER」。歌詞の情報からメロディと伴奏を自動的に作曲して8小節以内の「ボカロ曲」を生成するという斬新な技術で、様々なハックに用いられていました。

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海外の音楽ハッカソンではサービス系(Spotify、Rdio等)やデータ系(Gracenote)のAPI提供が多いので、出来上がる作品もサービスやアプリが多めとなるとのこと。日本のデベロッパーは、デバイス系の制作がとても上手で、参加企業の傾向も日本人が得意とするものづくりの系譜を受け継いでいるのかもしれません。

今回、技術提供で参加した企業一覧は下記のオフィシャルサイトに掲載されています。
Music Hack Day Tokyo 2015 OFFICIAL WEBSITE

150830-MS-002002人気のあるデバイスは、じゃんけんによって獲得できるかどうかが決まる

賞品は何なの? 誰が審査をするの?

最優秀賞に贈られるのは、賞金10万円。さらにAPIを提供している各企業からは、企業賞が設定されており、副賞としてその企業ならではの賞品が贈られます。
審査員は、クリエイティブ集団ライゾマティクスの真鍋大度氏を筆頭に、海外の最新音楽事情をブログメディアで発信するJay Kogami氏や、ロボティクスファッションクリエイターのきゅんくんなどが名を連ね、多彩な視点でプロダクトを評価していきます。
審査基準としては、今回のハッカソンでは「完成度」が最も重視されました。

150830-MS-002009Music Hack Day Tokyo 2015 審査員の皆さん

どんなプロダクトが生まれたの?

今回、最優秀賞を獲得したハックは「Squeeze Music by GoGyo」。視聴覚に留まらない音楽の拡張を掲げて音楽を「味覚化」し、曲に合わせたミックスジュースを作るという大胆なチャレンジをプロダクトレベルまで落とし込んだ作品です。
GracenoteのAPIを使うと解析できる“ハッピー”や“センチメンタル”といった「曲のムード」は、その感情を感じやすい「味覚」に置き換えられます。たとえば、曲のセンチメンタルな部分では「しょっぱみ」に置き換えられ、ソルティライチジュースがミックスジュースの成分として注がれていきます。今回のデモではクイーンの楽曲が見事にミックスジュースとなり、審査員きゅんくんに振る舞われました。

150830-MS-002006最優秀賞を獲得した「Squeeze Music by GoGyo」のプレゼンの一幕

そのほか、JINSが提供する新しいメガネ型デバイス「MEME」や、オムロンが提供する顔認識デバイスを利用してDJプレイをするチームや、マンガにあったBGMを当てはめるアプリ、Pepperが曲を歌うプレゼンなど、「そんな音楽の表現方法があったのか!」と思わず膝を打つようなプロダクトが次々と発表されていました。

150830-MS-002010顔認証機能を活かして、2人の位置と顔の傾きでDJプレイを試みる

150830-MS-002012マンガに合ったBGMを選び、クライマックスに合わせて流すサービス「CliMix」

150830-MS-002011現代版に歌詞がアップデートされた昔の名曲を、Pepperが歌う様子

発表されたプロダクトの一覧は、“Hacklog”として、こちらのサイトにまとまっていますので、興味ある方は、ぜひ一度チェックしてみてください。
さて、『Music Hack Day Tokyo 2015』の雰囲気や内容が少しでも伝わったでしょうか?
普段アーティストのライブや音源、インタビューに触れる機会が多い筆者としては、見落としていたIT技術視点での音楽の可能性に触れることができ、刺激を受けた2日間となりました。
主催者からは「定期的に開催することを目指します! 最低でも年1回。」と力強いコメントをいただいておりますので、気になった方は次回のMusic Hack Day Tokyoに参加してみては?

150830-MS-0020082日間に渡るMusic Hack Day Tokyo 2015の最後、参加者と審査員の集合写真

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