NICO、グドモ、テレフォンズら熱演『スペシャ列伝“大大大宴会”』レポート

2015.09.24

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いまや若手バンドの登竜門として、多くの人気バンドを輩出してきた『スペースシャワー列伝』。その15周年を記念したスペシャルライブ『スペースシャワー列伝15周年記念公演 “大大大宴会”~東の宴~』が東京・新木場STUDIO COASTで開催された。

出演は、2009年の列伝ツアーに参加したthe telephonesをはじめ、2007年のNICO Touches the Walls、2013年のグッドモーニングアメリカ、 そして今年2015年のTHE ORAL CIGARETTESと、まさにスペシャが早くから注目し、いまや人気バンドとなった4組。さらに、Halo at 四畳半、Bentham、PELICAN FANCLUB、LILI LIMITという、今後のロックシーンを担うであろうニューカマー4組を迎えて、それらがメインステージとサブステージに交互に出演するという構成で、およそ6時間にもおよぶライブが繰り広げられた。

トップバッターはサブステージに出演のHalo at 四畳半。渡井翔汰(vo、g)が放つ歌の世界観を大切にした、千葉出身の4人組バンドだ。まずは代表曲「リバース・デイ」から、そのストレートで力強いギターロックが、瑞々しくイベントの開始を告げる。ステージ後ろに掲げられたフラッグを指し、「“列伝”の文字を背負ってライブができることがうれしい」と、喜びを伝えた渡井。まるで物語のような独特の詞世界の「シャロン」では、ステージにいっぱいに降り注ぐ照明を浴びて、エモーショナルな演奏を届けてくれた。

そんな「Halo at 四畳半で泣きかけた……」(山中拓也)とバトンを受け取ったTHE ORAL CIGARETTES。1曲目の「mist…」で、いきなりフロアに信じられないほどのうねりを起こすと、「この列伝に思い入れがありすぎて、お前らに最高のプレゼントを持ってきた。新曲!」と、11月11日リリースのシングル「狂乱 Hey Kids!!」を投下した。一瞬にして身体を踊らせるグルーヴと、キャッチーなメロディ、艶やかなボーカルと、凶暴なロックサウンドが混然一体となって、完膚なきまでに聴き手を魅了していく。この日のライブを最後に、山中の声帯ポリープの手術のため一時活動休止となるオーラルだが、「THE ORAL CIGARETTESを一生守ろうと思ってる。また歌わせてください!」(山中)と、強く再会の約束を交わしてステージを後にした。

グッドモーニングアメリカは、転換中のリハで「サイダーでも飲んで」(8月発売のシングル「ハローハローハロ-」のカップリング曲)を聴かせて、フロアの期待感をいっそう煽ったところで登場。パンツ一丁に法被姿のたなしん(b)が、どじょうすくいをしながら、お客さんの頭上へとダイブするという展開にフロアは大盛り上がりだ。恒例の「3、2、1、ファイヤー!」という、お約束のかけ声を合図に、1曲目「空ばかり見ていた」が始まると、盛大なシンガロングを巻き込みながら、グドモらしいセンチメンタルが会場へと沁み渡っていく。「未来へのスパイラル」「ハローハローハロー」と、ギターチューンを連発しながら、実は、グドモも今年結成15周年を迎えることを明かした金廣真悟(vo、g)。いよいよ11月に迫った初の日本武道館単独ワンマンに向けて、「僕たちの挑戦をぜひ観に来てください」と力強く語りかけていた。

2007年の列伝ツアーから8年を経て、当時22歳だったメンバーも30歳を迎えたNICO Touches the Walls。全員が白シャツにジーパンというシンプルなスタイルで登場した4人は、「まっすぐなうた」から、貫禄のロックンロールでフロアを熱くした。ポップなメロディにオーディエンスが一体となってクラップを刻む「手をたたけ」では、古村大介(g)、坂倉心悟(b)が太鼓を打ち鳴らし、光村龍哉 (vo、g)がアコースティックギターを弾き歌うというダイナミックなライブアレンジで披露。「いまのNICOが最強だと思う。誰にも負ける気がしないぜ!」と、光村が言い放つMCも力強い。「ニワカ雨ニモ負ケズ」や新曲「渦と渦」など、泥臭いグルーヴと、抜群のギターリフとで、これぞロックバンドと思わせるかっこいいステージを見せながら、最後に「ロックを信じていれば絶対に負けないから!」と光村。どこまでも男らしいステージだった。

メインステージで、“先輩バンド”たちが続々と素晴らしいパフォーマンスを繰り広げるなか、サブステージでも、オリジナリティ溢れるニューカマーのライブが白熱する。

KEYTALKを輩出したKOGA Recordsに所属する期待の4人組・Benthamは、小関竜矢(vo、g)のクリアなハイトーンボイスが伸びやかに響いた「TONIGHT」からスタート。「HEY!!」「アナログマン」など、楽器隊の全員が主役級の個性を持つ、ハイクオリティなダンスロックでフロアを踊らせる。「みんな、コール&レスポンスとか慣れてるだろうから、難しいやつやるよ!」と、イベント名を使ったユニークなコール&レスポンスによる煽りも、彼らの得意とするところ。全国のライブハウスで修行を重ね、めきめきと実力をつけている4人は、今後フェスの人気者の座を狙っていくだろう。

異色の存在感を放ったのは、ニューウェーブとドリームポップの影響を公言して、自らを“ドリームウェーブバンド”と標榜する4人組、PELICAN FANCLUBだった。8月5日にリリースしたばかりのアルバム『PELICAN FANCLUB』のナンバーを3曲立て続けに披露して、美しさと狂気、不穏と激情、浮遊感が入り混じった、どこか刹那的なポップスを聴かせていく。MCでは「(列伝は)人間だったら中学3年生ぐらい。そんな思春期の列伝に何か刺激を与えられたらいいと思う」と言ったエンドウアンリ(vo、g)。その言葉のとおり、彼らの独創的な佇まいはシーンに一石を投じる存在になりそうだ。

サブステージのトリを飾ったLILI LIMIT。まず目を惹いたのが全員が真っ白の衣装に身を包んだ特異な出で立ちだった。「h.e.w」を皮切りに、洋邦ポップ/ロック史の土壌から、自分たちが良いと思うものを貪欲に吸収して作り上げるLILI LIMITのポップスがフロアを心地よく包み込んでいく。「新曲を持ってきました。たぶん歌えるので、歌ってください」と、未発表曲「festa」でも、有無を言わせずにフロアを巻き込んでいく強気な雰囲気も持つ牧野純平(vo)。まさにロックシーンの未来を託したくなるニューカマーだった。

メインステージに戻り、イベントの大トリを飾ったのは、すでに年内の活動休止を宣言しているthe telephones。「この15年でいちばん最高の夜にしようぜ!」と、石毛輝(vo、g、syn)がお馴染みの超ハイトーンで告げ、「I Hate DISCOOOOOOO!!!」が始まると、あっと言う間にフロアには、あちこちにサークルモッシュの渦ができあがった。「Say DISCO」から「AAUUOOO」「Monkey Discooooooo」と、強靭なバンドサウンドで巻き起こすディスコ旋風に、完全にダンスフロアと化した会場。ラストの「Odoru~朝が来ても~」で歌い上げた<この場所でしか生まれない奇跡さ>というフレーズは、まさにこの場所、この瞬間にピッタリだった。アンコールでは、「音楽は売れない時代だけど、こういうイベントは大事だと思う。このカルチャーを守っていこう」と、熱く語りかけた石毛。ラストナンバー「Love&DISCO」では、巨大なミラーボールが眩い光を放つなか、最後まで踊らせまくったテレフォンズのステージは、「We Are the telephones!!!」という力強い叫びと共に幕を閉じた。

この日のライブの模様は、11月27日23時~24時30分にスペースシャワーTVで放送される予定。ライブに参加した人も、そうでない人もぜひチェックしよう。

TEXT BY 秦理絵

NICO Touches the Walls / the telephones / グッドモーニングアメリカ / THE ORAL CIGARETTES
PHOTO BY Takahiro Kugino

Halo at 四畳半 / Bentham / PELICAN FANCLUB / LILI LIMI
PHOTO BY Yuji Honda

<セットリスト>
Halo at 四畳半
01.リバース・デイ
02.箒星について
03.アメイジア
04.シャロン

THE ORAL CIGARETTES
01.mist …
02.STARGET
03.狂乱 Hey Kids!!
04.カンタンナコト
05.Mr.ファントム
06.起死回生STORY
07.エイミー

Bentham
01.TONIGHT
02.HEY!!
03.アナログマン
04.手の鳴る方へ
05.パブリック

グッドモーニングアメリカ
01.空ばかり見ていた
02.キャッチアンドリリース
03.コピペ
04.未来へのスパイラル
05.ハローハローハロー
06.イチ、ニッ、サンでジャンプ

PELICAN FANCLUB
01.Chilico
02.プラモデル
03.Dali
04.Capsule Hotel
05.1992

NICO Touches the Walls
01.まっすぐなうた
02.手をたたけ(ACO)
03.THE BUNGY
04.ニワカ雨ニモ負ケズ
05.渦と渦
06.天地ガエシ

LILI LIMIT
01.hew
02.Girls like Chagall
03.festa
04.at good mountain

the telephones
01.I Hate DISCOOOOOOO!!!
02.DaDaDa
03.Say DISCO
04.A A U U O O O
05.Monkey Discooooooo
06.Odoru〜朝が来ても〜
07.Love&DISCO


「スペースシャワー列伝」OFFICIAL WEBSITE


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