『L'Arc-en-Ciel LIVE 2015 L'ArCASINO』オフィシャルレポート

2015.09.23

150923-CI-225000

■2015.9.21(Day 1)
<夢舞大橋が虹色に染まった伝説のライヴ>

2015年9月21日、22日、大阪の湾岸部にある人口島、夢洲(ゆめしま)での初めてのライヴとなる『L’Arc-en-Ciel LIVE 2015 L’ArCASINO』が開催された。2日間合わせて10万人を動員し、両日ともに3時間、23曲が演奏された。L’Arc-en-Cielのワンマンのステージは、2014年3月の東京・国立競技場公演以来1年半ぶり、大阪では2012年5月のUSJ公演以来3年4ヵ月ぶり。夢洲は大阪府と大阪市が誘致を進めているカジノを含む統合型リゾートの建設候補地なのだが、その近未来を先取りするかのように、この2日間、ライヴとアミューズメントとが融合したスリリングな空間が出現した。ともかく会場が広い。何から何までスケールがでかい。ライヴ会場の敷地面積は東京ドームの約5倍で、会場内のテントの数は400。ライヴエリアの他に、カジノ、メリーゴーランド、逆バンジージャンプ、ドリームキャッチャー、ネイルアートなど、ゲームやアトラクションが楽しめるエリアが併設されていて、開演前からお楽しみもたくさん用意されていた。ステージセットも巨大で、ルーレット、ダイス、トランプ、バニーガールなど、カジノにちなんだモチーフのオブジェが使用されていて、遊び心たっぷりで楽しい。

yukihiro、ken、tetsuya、hydeと順に4人のキャラクターがカジノで活躍するアニメが流れて、ステージからメンバーが登場するのかと思いきや、客席の後方からリムジンに乗って、約300メートルある花道を走行しての登場。しかも24万枚のL’ArCASINO仕様の紙幣、ラル札をバラ撒きながら、ステージに乗り付けた。会場が広いということは、ステージから遠い席がたくさんあるということだが、どんな場所からでも楽しめるように、演出も工夫されていた。

1曲目に演奏されたのは「SEVENTH HEAVEN」だった。スケールの大きなこの曲は野外の広大な空間にぴったりだ。この曲でもカジノチップ型特効L’ArCHIP、1万枚が降り注ぐ演出があり。2曲目の「Link」では観客がハンドクラップしたり、シンガロングしたり、早くもステージと客席とが濃密にリンクしていく。「Pretty girl」ではバニーガール姿のダンサーも登場。ダンサーの横で一緒になって腰を振っているのはもちろんkenだった。

「ようこそ、L’ArCASINOへ! やっと日本に合法的なカジノが上陸した。君たちが最初のゲストだ。いいなあ。夢と欲望の街、夢洲で一攫千金を狙おうぜ!」とhydeが叫ぶと、大歓声が返ってきた。「Blurry Eyes」はトランプやダイスが描かれた巨大風船が舞う中での演奏。「flower」では“空は今にも降りそそぐような青さで”というフレーズのところで、hydeが空を見上げて歌っていた。頭上に広がる空とのコラボレーションと言いたくなるような瞬間がいくつもあった。久々に演奏された初期の曲、「and She Said」は歌詞の中に“道化師”という言葉が登場するのだが、今回はピエロとジョーカーがピアノとティンパニーを演奏するという演出で、ポップでマジカルな空気が漂う世界が出現した。バンドの表現力がこうした曲で際立っていく。tetsuyaのハモりがこの曲に独特の哀愁を与えていた。

「どうなん? もうかってまっか? ラル札拾えた人? いつも自分のためにギター弾いてるんですけど、みんなのために弾いたらどうなるやろうなって。次の曲はみんなのために弾いてみます」とken。その曲、「HEAVEN’S DRIVE」はhydeもギターを持って、バンドサウンド全開。kenのギターソロではいとしさまでもが伝わってくるようだった。この曲が終了したところで、カジノを連想させる音を使った幻想的なSEが流れる中、4人が天井が開きオープンカーとなったリムジンで花道を走行して、客席後方のサブステージへ移動。ここから数曲はサブステージで演奏されたのだが、メンバーと空をとらえた映像も実に絵になっていた。tetsuyaとkenはリムジンに腰を掛け、青空にオレンジ色が混ざって、夕焼け空へと変わりつつある中での「Wind of Gold」はあたりが夕陽で輝いていて、まさに風も金色といった感じ。hydeの深みのある歌もニュアンスに富んだ演奏もともに見事だった。「夕暮れが似合う曲を聴いてください」という言葉に続いての「ALONE EN LA VIDA」では無常感漂う演奏が風に乗って深く染みこんできた。yukihiroの表情豊かなドラムも体の奥深くを揺らしていく。「tetsuyaさん、気持ちいいですか?」とhydeが聞くと、「気持ちいいですね」とtetsuya。さらに「ユッキー、気持ちいいですか?」と聞くとyukihiroがお辞儀で表現。hydeがサブステージに連れてきた白いオウムの人形に話しかけたり、腹話術風なやりとりで笑いを誘ったり。リラックスしたなごやかな空気が漂っていた。しかも空は絶景。4人ともこの特別なシチュエーションの中で演奏することを楽しんでいるようだった。5万人が一緒になって夢洲で“夢を描くよ”と歌った「MY HEART DRAWS A DREAM」は格別な体験となった。

ピエロたちのパフォーマンスによって、会場内にウェイヴが起こる。ピエロが大きなバーを引くと、ステージ上のLED画面に映し出されたスロットが回り出して、図柄が揃うと、後半がスタートするという趣向の演出もあった。その後半の最初の曲「trick」ではポップアップで4人が宙に跳びながらの登場。マジックショーを彷彿させる演出だ。しかも4人全員がギターを激しく弾いている。音楽的な遊び心があるところはL’Arc-en-Cielならではだ。「REVELATION」はhyde以外の3人がパーカッションを演奏している。ピエロたちが担いでいる輿の上でのhydeのコールに観客も応えていく。この曲が終了すると、ステージの左右のルーレットのセットが開いて、ステージ後方のスクリーンがワイドになっていく。そのスクリーン全面にビル群が映し出されて、「CHASE」へ。日も暮れてきて、照明を使った演出も全面的に展開されて、ダンサーも登場。ライヴはさらに加速していく。「X X X」ではhydeの妖しい歌声が会場内を酔わせていく。夢洲は人工島だが、会場内から海は見えない。が、「TRUST」ではスクリーンの全面に海が広がる中での演奏。tetsuyaの深みのあるベースが海の青に映える。

「夏っぽいシングルをリリースして、本番に挑みたいと思っていたんですけどね。せめてですね、今日になってしまったとしても、新曲を聴かせてあげられないものかと。L’Arc-en-Ciel、頑張りました」というhydeの言葉に歓声と拍手。この夢州で初披露された新曲「Wings Flap」は力強さと切なさとが共存するエモーショナルなナンバー。ヴォーカル、ギター、ベース、ドラムが存在感を放ちながらも、絶妙のバランスのバンドサウンドを形成している。“I wanna fly high”と歌われるように、アグレッシヴな意志も伝わってくる。終演後にはこの曲がニューシングルとして12月23日にシングルリリースされることも発表になった。

後半は「Caress of Venus」「Driver’s High」など、たたみかけていく展開。メンバー4人の思いがダイレクトに伝わってくるような白熱の演奏に会場中が熱狂していく。tetsuyaのベースソロで始まった「STAY AWAY」ではマスクのダンサーも登場して、にぎやかに派手に盛りあがっていく。ステージの上部に設置された“ L’ArCASINO ”の電飾も点滅している。高精度のLED画面もいいけれど、カジノと言えば、やはり電飾がギラギラ光り輝くイメージがある。「READY STEADY GO」では躍動感溢れるワイルドな演奏に会場が激しく揺れた。kenとtetsuyaがyukihiroを見ながらのフィニッシュ。花道の先まで行っていたhydeは曲が終わった瞬間に、ステージまでたどりつけず、花道の途中にいた。300メートルの花道はやはりかなり長い。yukihiroとkenが即興でセッションを始めて、hydeに戻るように促している。「走れって?」と言いつつ、走って戻って倒れ込むhyde。「みんなの声がないと、立ち上がれない」と言うと、すかさず観客の大声援が後押ししていく。印象的だったのはhydeのこんな言葉だ。

「こんなとこ来たら、一生忘れへんよな。これからこの場所がどうなっていくのか、僕は知らんけど、きっと素敵な街になって、みんな、遊びに来ると思うんですよ、そのとき、友達に自慢してください。“まだここ更地やったんやけど、すげえ伝説のライヴがあったんだよ”って」

その“伝説のライヴ”の最後を飾るのは「あなた」だった。イントロでステージ背後に見えていた夢洲と舞州を結ぶ夢舞大橋が虹色にライトアップされると、「えー! うそでしょ!」という声があがって、会場内が一瞬、ざわめきに包まれた。最後の最後にもマジックがあったのだ。全員がひとつになってシンガロング。終演と同時に夜空を花火も彩っていく。青空や夕焼け空や夜空とともに、とびきりの歌と演奏があった。この夢洲で一攫千金以上に未来への糧となるもの、かけがえのない思い出を手にした夜となった。

■2015.9.22(Day 2)
<夢を描くことの素晴らしさを再確認した空間>

雲は出てはいるが、青空も見える。『L’Arc-en-Ciel LIVE 2015 L’ArCASINO』2日目となる22日もライヴ日和だった。4人のキャラクターが登場する初日とは異なるアニメーションが流れたあとに、メンバーが客席後方からリムジンに乗って登場。風向きの関係なのか、昨日以上にラル札が鮮やかに空に舞っている。2日目も「SEVENTH HEAVEN」からのスタート。ソリッドでダイナミックな演奏が気持ちいい。バンドの奏でるグルーヴに乗って、客席が波打っている。歌詞にある“揺らめく楽園”が夢洲に出現していた。外国人の観客も散見できて、国際色が豊かなのも特徴的だ。ワールドツアーを開催しているL’Arc-en-Cielならではだろう。ちなみにこの日は国内だけでなく、香港、台湾は生中継、シンガポール、タイ、インドネシア、フィリピン、アメリカ、メキシコ、ペルー、チリ、コロンビア等ではディレイ上映されるなど、海外でのライヴビューイングも行われることになっている。2曲目は前日後半で演奏された「Driver’s High」。hydeがマイクスタンドを客席に向けると、観客が大きな声でシンガロング。観るというよりも参加する。それも“L’Arc-en-Ciel”のライヴの醍醐味のひとつ。「Pretty girl」では曲のエンディングで、tetsuyaもkenもhydeもドラム台のもとに集まってきて、yukihiroの動きを確認しながらのフィニッシュ。今回のステージではこうしたバンド的な動きも目立ったのだが、常時活動しているバンドではないだけに、こうした場面はファンにとってもうれしいのではないだろうか。

「目のギラギラしたヤツが多いな。金か? 目がくらんでいるんだろう。金で何でも買えると思うなよ。金で買えるのは……、金で買えるのは……ほとんどだ! 一攫千金! ジャパニーズドリームをつかもうぜ、夢洲!」

金でほとんど買えるということは、つまり買えないものもあるということ。その金で買えないものをL’Arc-en-Cielが見事に提供していると感じた。「and She Said」はこの日もピエロとジョーカーが参加しての演奏。シアトリカルでマジカルな世界観はカジノ的でもある。hydeが特別仕様の短いマイクスタンドの先を客席に向けると、クラッカーのように紙吹雪が飛びだした。こんな小技も楽しい。だが、この日の最大のマジックはやはりバンドマジックだろう。この4人が結集すると、とてつもないパワーが生まれていく。例えば、この日の「ROUTE 666」。yukihiroのドラムがバンドの超強力エンジンに点火して、tetsuyaのベースがさらにドライヴ感を増幅させていく。hydeがシャウトしている。メンバーのただならないテンションにあおられて、会場内が熱気に包まれ、踊りまくって、“夢に踊れ”という歌詞がまんま実現していた。

「2日目のライヴせなあかんのに昨日の夜、ムラムラしてしまって、溜まったままです。みんなも溜めてきたのか? ガールズは金を貯めてきたのか? ええのんか? 溜めてきたもの、全部出せや〜!」というシモネタ混じりのkenのMCに続いて、「HEAVEN’S DRIVE」へ突入。hydeの歌声にtetsuyaとkenのコーラスが加わって、天国へのドライヴが加速。この後、前日同様にリムジンに乗って、花道を走行して、サブステージで3曲演奏。

「ただいま、大阪。よく来たね、こんなところまで。筋金入りのどMだ。でもメンバーが集まったことがさらにすごいかなと」とhyde。そのhydeの横にはしっかり白いオウムもいる。初日はじっくり聴く曲がラインナップされていたのだが、この日は「ノリのいいヤツを」ということで、久々のナンバー「It’s the end」も演奏された。リズムは気持ちいいのだが、hydeの切ない歌声が胸に響いてくる。地元、大阪ということもあってか、この日もMCはリラックスムードで進行。

「やあ、楽しいなあ。ユッキーは楽しい時しかターバンを巻いてません。今日はかなりイッてるよね」というと、yukihiroが言葉の替わりにバスドラでドカドカっと反応する。「テッちゃん、楽しい?」と聞くと、tetsuyaがオウム声で「楽しい」と返答。そしてtetsuyaが着ているミハラヤスヒロデザインの衣装を見て、「tetsuyaさんは楽しいときしか星の服を着ません。今日は星の王子様みたいです」との言葉に会場から「王子様〜!」と声がかかっていた。「こんなところにこんなに人が集まってくれて、L’Arc-en-Cielは幸せものですね」とのhydeの言葉もあった。

ピエロたちのパフォーマンスを経て、2日目も初日同様、「trick」から後半がスタートした。yukihiroの英語でのイントロデュースに続いて、全員がギターを持って、ハードかつヘヴィな演奏を展開。tetsuya、yukihiro、ken、hydeの順に気迫たっぷりのリードヴォーカルを取っていく。さらにtetsuya、ken、yukihiroがパーカッションを演奏する「REVELATION」へとたたみかけていく。

青空から夕焼けへ、そして夜空へ。自然とコラボレーションするかのような演出も見事だった。夜の訪れとともに、LED画面に摩天楼が出現して、「CHASE」へ。ここからは光と闇が混在するミステリアスな世界観を持った曲が並んでいた。前日に続いて、2度目の披露となったのは新曲「Wings Flap」だった。前夜の終演後にリリース発表もあり、予約した人限定で先行試聴も開始されたので、聴きこんできた観客もいたのではないだろうか。深みのある歌なので、聴けば聴くほど、より味わい深くなっていきそうだ。再生していくパワーのようなものも伝わってきた。

2日目限定のナンバー「Lies and Truth」が始まった瞬間には悲鳴のような歓声が起こっていた。バンドの奏でる軽快なリズムに合わせて、サイリュームの光が揺れている。さらに前日は序盤に演奏された「Link」へ。会場内に親密な空気が漂っていく。hydeのギターで始まった「HONEY」では1コーラス終わったところで、花火が打ち上がった。観客の熱気と連動していくかのようにバンドが疾走&加速していく。混沌としたパワーが渦巻く中、yukihiroの渾身のドラムでのエンディング。

「わっしょいー! おげ〜んき〜?(ライヴビューイングを観ている)映画館も元気? わっしょいー!」というtetsuyaの言葉とベースソロに続いて、「STAY AWAY」へ。マスク姿のダンサー、バニーガールなど、総勢30名も登場して、お祭り状態で盛りあがっていく。

「さよならはいいたくないよね。こんなとこ、来たら一生忘れられないよね。大変だったでしょう。遠いところまで来てくれて、かわいいヤツらだな。ありがとうございます」というhydeの言葉に、「ありがとう!」と返す声がたくさん起こっていた。
「このあと、ここはどうなっていくんですかね。ここでこんなすごいライヴがあったなんて、夢みたいな感じだと思うんですけど、ひょっとしたら、そのころにまったく同じような施設ができているかもしれないよ。こんなL’ArCASINOがあって。そしたらそこでまた会いたいね」とhyde。2日間行われた『L’Arc-en-Ciel LIVE 2015 L’ArCASINO』の最後を飾る曲は「Pieces」だった。バンドのファンへの愛が伝わってくるラヴソング。メンバーそれぞれの思いが詰まった演奏だ。曲の途中で夢洲と舞州にかかる876mの白い夢舞大橋がライトアップされて、虹色に染まった。さらに終演とともに花火が次から次へと打ち上げられて、夜空も七色に染まっていった。その数は2日合わせて2,000発。夢洲という場所のせいか、未来に思いを馳せる瞬間もたくさんあった。海だったところに島ができて、何もない更地の島でこんなにも大規模なライヴが展開されていく。未来って、なんだってありなんじゃないか。『L’Arc-en-Ciel LIVE 2015 L’ArCASINO』は夢の持っているパワーのすごさ、素晴らしさを再確認させてくれる空間でもあった。

PHOTO BY 今元秀明/緒車寿一/加藤千絵/河本悠貴/田中和子/三吉ツカサ


イベント情報

L’Arc〜en〜Ciel LIVE 2015 L’ArCASINO(ラルカジノ)
09/21(月・祝)・22(火・休)大阪・夢洲 野外特設会場


L’Arc〜en〜Ciel LIVE 2015 L’ArCASINO特設サイト

L’Arc〜en〜CielオフィシャルWebサイト


150923-CI-225001 150923-CI-225002 150923-CI-225003 150923-CI-225004 150923-CI-225005 150923-CI-225007 150923-CI-225008 150923-CI-225009 150923-CI-225010 150923-CI-225011 150923-CI-225012 150923-CI-225013

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

M-ON! MUSICの最新情報をお届けします。

この記事に関するキーワード

この記事を書いた人