バンドの軌跡と熱が刻まれた、FACTベストアルバム『best+ 2009-2015』

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FACT

今年4月に突如解散を発表したFACTが、新曲を含むベストアルバム『best+ 2009-2015』をリリース。そして、11月20日の主催イベント『ROCK-O-RAMA 2015』をもって活動を終了させる。現在の心境やベストアルバムに対する思いとは?

INTERVIEW & TEXT BY 西廣智一


解散までの流れを一緒に楽しんでほしい

──昨年結成15周年を迎え、今年3月には1年ぶりのニューアルバム『KTHEAT』をリリースしたのに、翌4月に年内での解散を発表。どんな経緯があって解散を決意したのですか?

Eiji それ、離婚寸前の夫婦に離婚の理由を聞いてる感じですよ(笑)。そんなに大した理由はないんですけど……。

Tomohiro たぶん、みんなそれぞれ考えて出した答えだし、一人ひとりがその理由を言い出したら、もしかすると俺が思っている理由と他の誰かは違うかもしれないし。シチュエーションや話すタイミングで、俺は答えが変わってくる可能性があると思うんですね。だから簡単に自分の意見だけを言っていいのか、正直よくわからないんです。それに今日はギターのKazukiもいないですし。

──そうですね、全員揃っていない時点でその話をするのはフェアではないですし。

Tomohiro いろんなことが積み重なってそうなってしまったことではあるんですが、みんなこれで落ち込んだりもしたし、たくさん考えたうえでの結果なので。それに現時点ではツアーもまだ残っているし、ベストアルバムも出るし、『ROCK-O-RAMA 2015』もありますからね。

Adam 理由よりも、俺は結果が大事かなと思う。みんなが考えて出した結果だからね。

Tomohiro そうだね。それを見守るというか受け入れてもらって、解散までの流れを一緒に楽しんでほしい。それがいいかなって、個人的には思います。

今までやってきたものすべてがベスト

──それではベストアルバム『best+ 2009-2015』の話題に移りたいと思います。オリジナルアルバムに加え、コンピレーションアルバムにしか収録されていない楽曲も多いなか、選曲はどのようにして決まったのですか?

Eiji ひとり数曲ずつ提案して、そこから擦り合わせていったんですけど、すんなり決まりましたよ。前にも配信限定でベストアルバムを出したんですけど、今回はちゃんとCDになっているから、そこが大きく違うかな。特に俺らの世代はバンドの音源はCDとか形があるものとして育ってきたんで、思い入れは強いです。

Takahiro FACTは今まで6人で築き上げてきたものだから、どの曲が入ろうと俺はそれがベストなものだと思う。だから「この曲が入ってるのは違うな」とは絶対に思わないし、どんな曲がきてもそりゃすんなり決まりますよ。今までやってきたものすべてがベストなものですから。

新曲の歌詞はそのまんま今の心境

──なるほど。アルバムには「choices」「look away」の新曲2曲を収録。2曲ともこのベストアルバムのために制作されたものなのですか?

Tomohiro そうです。ツアーが9月に始まって、途中2〜3週間空いたので、そこで曲作りとレコーディングをしました。

──どちらもカッコいいですし、大音量で聴いても楽しめるだけではなく、ヘッドフォンで集中して聴くといろんなサウンドが散りばめられていたり、複雑なボーカルワークがあったりとすごく聴き応えのある楽曲だと思いました。歌詞も現在の心境やこれから先に向けての決意が綴られたものなのかなという印象を受けました。

Tomohiro 曲によってHiroと自分で分けて書いたんですが、個人的なことで言うと結構ストレートに……バンドに対してフラストレーションがあるわけじゃないですけど、普段の生活で溜まっているフラストレーションとかいろんなものを珍しくストレートに書いてみました。で、Adamが英語で歌詞らしく整えてくれたんで、そこにAdamのテイストも加わってるんです。

Hiro 俺が書いたのは6人の進む選択というか、その先にみんなが持ってる理想に進んで行けたらいいなっていう歌詞なので、おっしゃるとおりの内容です。そのまんま今の心境だと思います。

──そして、DVDには自身初のワンマンツアー『FACT “KTHEAT” JAPAN TOUR 2015』の映像も収録されますが。

Tomohiro そうですね、9月6日の大阪公演が入ります。

──ライブ実施からDVD化まで2カ月経つか経たないかという、ちょっと異常なスピード感ですよね(笑)。

Adam これ、ツアーが終わった次の日に出るの? あははは、早いね(笑)。

Eiji 早いんですかね。そんなこと考えたこともなかった(笑)。

Tomohiro だけど、FACTのラストライブが終わって、来年1月か2月にDVDだけポンと出すくらいだったら、ベストアルバムに付けてみんなが手に取りやすい状況のほうがいい気はします。制作スケジュール的には大変かもしれないけど、それが面白そうだと思えばメンバーもみんな賛成しますから。

『ROCK-O-RAMA』は俺らの解散がメインではない

──11月20日にはサーキット形式のイベント『ROCK-O-RAMA 2015』が開催されます。昨年の幕張メッセに引き続き、今回も興味深いメンツが揃いましたね。この出演者は皆さんで決めたのですか?

Adam 単純に一緒にやりたい友達バンド、リスペクトしてるバンドに声をかけました。

──ここでのライブがFACTにとってラストライブになるわけですね。

Takahiro 本当はワンマンツアーで最後にしようと思ってたんです。なので、今年の『ROCK-O-RAMA』は俺らの解散がメインではなく、去年の初開催からの延長線上にあるもの。単純にみんなに楽しんでもらいたいです。

Adam もしかしたらFACTが好きじゃない人も来るかもしれないし(笑)。

Tomohiro それでもいいんですよ。それがサーキット形式の面白さだし。別にFACTを観ないで、その裏でやってるバンドを観ようとかいろいろ入り乱れてたほうが楽しいんだろうなって。そうあってほしいし、そうお客さんに言わせるぐらいのバンドが出てくれると思ってます。出る側もそれぞれ好きなバンドを観に行くと思うし、そういう形で1日を楽しんでくれたら、俺らも『ROCK-O-RAMA』が最後で良かったなってハッピーな気持ちで終われるし、しんみりしてなくていいじゃないですか。終わった後に「2015年の『ROCK-O-RAMA』に行って良かったな」という人がたくさんいてくれたら、俺らも本望です。


リリース情報

2015.11.11 ON SALE
ALBUM『best+ 2009-2015』
MAXIMUM10

151105-YS-230802[CD+DVD]¥3,800+税
[CD]¥2,800+税
詳細はこちら


ライブ情報

ROCK-O-RAMA 2015
11/20(金)東京・TSUTAYA O-EAST(UNITY STAGE)、duo MUSIC EXCHANGE(ANARCHY STAGE)、club asia(1F:LIBERTY STAGE、2F:PEACE STAGE)、VUENOS(グッズ販売エリア)
詳細はこちら


プロフィール

ファクト/Kazuki(g)、Adam(g)、Hiro(vo)、Eiji(ds)、Tomohiro(b)、Takahiro(g)。1999年の結成。2009年、2ndフルアルバム『FACT』で世界デビューと国内メジャーデビューを果たす。2015年3月に6thフルアルバム『KTHEAT』を発売、翌月に解散を発表。現在行っているツアー後、11月20日の主催イベント『ROCK-O-RAMA 2015』がラストライブとなる。

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