アーティストが話題の映画を観たら……。課外活動連載「みんなの映画部」

Base Ball Bearの小出祐介が部長となり、ミュージシャン仲間と映画を観てひたすら語り合うプライベート課外活動連載。今月は小出部長が欠席ですが、みんなの友達・ノザキくん(非ミュージシャン)が参戦。ハリウッドスターの怪演が話題の「ナイトクローラー」を観てきました!

TEXT BY 森 直人(映画評論家/ライター)


活動第19回「ナイトクローラー」[前編]
参加部員:福岡晃子(チャットモンチー)、オカモトレイジ(OKAMOTO’S)、ノザキくん(みんなのお友達)

 

主人公がもうちょっと普通の人に見えたらよかったな

──みんなの映画部第19回は、残念ながら小出部長がスケジュールの都合で欠席。ってことで今回のメンバーは、あっこちゃん、レイジくん、そしてテレビ出演(日本テレビ系「徳井と後藤と麗しのSHELLYが今夜くらべてみました」)で話題沸騰のノザキくんです!(笑)。

オカモトレイジ 最近いっつも話しかけられますからね、俺といると。「ノザキくんですよね?」って。

福岡晃子 すごーい!

ノザキくん いやいや……まあ、素人いじりの番組でしたから。

──そんなノザキくんも加え、今回はジェイク・ギレンホールがテレビ業界の裏側で這いまわる不気味な男を怪演するアメリカ映画「ナイトクローラー」です。では部長代理ということで、まずはあっこちゃんから率直な感想をお願いします。

福岡 え~っ、私!? う~ん、ええとね……前に同じ映画館(新宿シネマカリテ)で観たセイウチの映画(第17回「Mr.タスク」)ほどの肩透かし感はなかったんだけど、なんかストーリー展開として「ああ、そうなるよねえ」って感じでした(笑)。いちいち「うんうん、そうねえ」って。レイジはどう?

レイジ 同感です。主人公がね、もう少し最初は普通の人に見えたらよかったなと思います。だって最初から明らかにおかしいじゃないですか。

ノザキ だから主人公が暴走しても「一線を超えちゃった」っていう瞬間のスリルがないんですよね。

レイジ そう、最初から超えてるんだもん。そんな人間が“ナイトクローラー”っていう映像パパラッチ(犯罪事件や事故現場の過激な映像を独自に撮影し、テレビ局に売りつけるカメラマンのこと)になったら、そりゃあモラルなんかおかまいなしに、どんどんエスカレートするでしょっていう。

ノザキ ただ「成り上がりの人を風刺した話」として観ると、この主人公、仕事ってことに関してはもっともらしいことを言うんですよね。

──全部ネットで仕入れたインスタント知識なんだけど、世間では結構それで通用しちゃうという。

福岡 そうそう、ネットから学ぶのが超早かったね(笑)。

ノザキ この映画では映像パパラッチだけど、他の業種にも置き換えられるような皮肉の仕方だったなあって思います。

後味として、もう「なんなん?」って感じ

──レイジくんは計2回観て、2回ともウトウトしちゃったとか(笑)。

レイジ ジェイク・ギレンホールの演技や役作りはすごいと思うんですけどね。でも良かったシーン、1個ありましたよ。主人公が初めてパパラッチするときに、事故現場の死体を自分の画角に入れたいから引きずるところで、すっごいワクワクした表情をしているんですよ。そのシーンで流れてくるBGMがスポ根モノのやり遂げている系というか、希望に満ち溢れている系の音楽だったんです(笑)。そこが良かったですね。

福岡 この主人公、カメラを撮るのが普通に上手くなっていくんだよね。最初はすごいへっぴり腰だったのに、最後は自信たっぷりにスススッて撮っていく。ただねえ、う~ん、またそこがね……。

──えらく浮かない顔をしていますが(笑)。

福岡 やっぱり釈然としない。後味として、すっごいモヤッとする。もう「なんなん?」って感じなの(笑)。

レイジ ヤバい人がヤバいことをやっているだけの映画ですもんね。

福岡 そう、ひたすら平行線みたいな。だからあの人が社員をいっぱい雇って、車もいっぱい持って、その会社がでっかくなろうが、私としては「どうでもいいよ!」って気持ち(笑)。「もう、勝手にして!」みたいな。

ノザキ 別に「早く捕まっちゃえ!」っていう気持ちにもならないですもんね(笑)。

──逆に言うと、明らかに危険人物なのに「普通の成り上がり物語」みたいにサラッと描いている。そこは定型をはずしているというか、現代社会の歪みを映し出す風刺劇としてフレッシュではないのかなと。

ノザキ 結構、身近に出世してる人でも、こういう精神構造の人は普通にいるかもしれませんよね。

福岡 ああ、それはそうかも。身近な怖さは確かに感じたなあ。

 

C-20150927-MK-0222本当に仲良さそうなふたり。
時間があれば、毎日のように一緒に映画を観に行っているのだとか(学生か!)

C-20150927-MK-0221やっぱり、小出部長がいないとさみしいっす。

[後編]はこちら

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