えっ、息継ぎしてない……!?何分も何十分も楽器を吹き続けることができる人たち

2015.08.31

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素人が見ると超ビックリな「循環呼吸」を用いた演奏

管楽器を演奏するにあたって、ブレス(息継ぎ)のタイミングはとても重要だ。下手なところでブレスするとせっかくの美しい演奏も台なしになってしまう。合唱や合奏ではパート内でブレスのタイミングをずらす「カンニングブレス」によって、目立つ音切れを防げるが、トリオ、デュオ、ソロと、人数が少なくなればなるほどブレスは目立つもの……。しかし、なんと世の中には音を切らすことなく何分も何十分も管楽器を吹き続けていられる人がいるというのだ。まずはこちらの動画をご覧頂こう。


サン=サーンスの組曲「動物の謝肉祭」より「白鳥」をフルートで演奏する女性。自然過ぎて気づかないかもしれないが、よく見ていると2分半ものメロディを吹く間に一度もブレスの間がない……。苦しそうな様子も見せず涼しげな表情で吹ききってしまう。

実はこれは「循環呼吸」という呼吸法によって演奏している。膨らました頬に空気をため、それを押し出しながら鼻から息を吸う方法で、コツさえ掴めばさほど難しくない呼吸法なのだ。循環呼吸の仕組みを紹介しながら、練習方法を教えてくれる動画があるので紹介しよう。


水の入ったグラス(動画ではペットボトル)にストローを挿し、ぶくぶくがなるべく途切れないように息を吐く練習。息を吐きながら頬を膨らませたら、肺から空気が出るのをストップ。頬にたまった空気を押し出すのと同時に鼻から息を吸う。鼻炎の人は鼻がかゆくなってクシャミが出そうになるそうなのでほどほどに。


こちらは循環呼吸で45分47秒というギネス記録を持つサックス奏者のケニー・Gによる循環呼吸のハウツー動画。1分00秒からブレスのタイミングを目立たせて循環呼吸によるロングトーンを披露してくれる。1分28秒からの自然な循環呼吸はさすがの完成度。ちなみに循環呼吸は口内・喉にためた空気を押し出すため、声帯を用いる声楽やカズーには使用できない。あくまで管楽器限定の奏法のようだ。

クラシックの世界では特殊奏法とされる循環呼吸だが、北アフリカや中東、アジアなどでは民族楽器の奏法として古くから親しまれている。オーストラリアの楽器には循環呼吸を必須とする楽器があるほど。特別なものではく、ちゃんと練習すれば誰にでもマスターすることができる奏法なのだ。表現の幅がぐんと広がること間違いなしの循環呼吸。今日から練習を始めて楽器仲間に差をつけよう!

PHOTO:(C) BillionPhotos.com – Fotolia.com

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