ミュージシャンの課外活動連載!「みんなの映画部 #17 [前編]」

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Base Ball Bearの小出祐介が部長となり、ミュージシャン仲間と映画を観てひたすら語り合うプライベート課外活動連載。今月は、B級……いや、C級、D級クラスの怪作を観賞。「みんなの映画部」の幅がいろんな意味で広がりました!

 TEXT BY 森 直人(映画評論家/ライター)


活動第17回『Mr.タスク』[前編]
参加部員:小出祐介(Base Ball Bear)、福岡晃子(チャットモンチー)

着ぐるみ感とか、まるで「ダウンタウンのごっつええ感じ」

──今回はなかなかの異色作です。ケヴィン・スミス監督の「Mr.タスク」。人間をセイウチに改造しようと夢見るマッドな老人の罠に、ひとりのチャラい男が引っかかるという……。まあ一種のホラーコメディといったところでしょうか。まずは小出部長の感想をお願いします。

小出祐介 そうだなぁ。ひと言で言うなら、「本物のセイウチ飼えや!」という感じです(笑)。あの老人ハワード・ハウ(マイケル・パークス)がセイウチを普通に飼ってさえいれば、すべてが何も起きなかったのに、と。

福岡晃子 ふふふふ(笑)。

小出 別にセイウチ人間を作る必要がないっていう。まじめに観るとね(笑)。

──なんて身もふたもない(笑)。

福岡 まあ一応、あのおじいちゃんは人間に対する憎しみがあって……という説明はあったけど。

小出 元船乗りで、昔に壮絶な航海を経験して、人間たちが誰も信用できなくなったところを、なぜかセイウチに助けられたっていうね。だからセイウチが彼の唯一の理解者であり、ぎりぎりの切羽詰ったところでわかり合えた、というのは一応吞み込めるんですよ。でもそこでわざわざ関係ない人間をセイウチに変える意味がね……(笑)。なんでそうなるんだっていう(笑)。まあ「シュールだね」っていう感じですかね。セイウチの着ぐるみ感とか、「ダウンタウンのごっつええ感じ」感すごかったし。

──たしかに似てるかも。半魚人の女が「産ませてよ」っていうヤツ(伝説のコント『産卵』)とか。

小出 そうそう。セイウチ人間になっちゃいました、って言って、最初すごい寄りから始まってカメラがグーッと引いていくんですよ。その瞬間、これ「ごっつ」だわ、と。詳しくは言えないけど、ブラックなオチの付け方とかもまっちゃん(松本人志)的だな〜って。

よかったぁ〜。今日、怖いヤツじゃなかった

福岡 今回、私はまったくNO情報で観たんやけど、本編上映前に「ムカデ人間」の予告が流れてたのよ。

小出 あ、そうなんだ(今回、部長は開始直後に劇場入り)。

福岡 なんか「セイウチをご覧の皆様へ。ムカデが来ます」みたいな予告で。私、なんにも内容知らなかったから、「えっ、『Mr.タスク』ってホラーなん?」ってびっくりして。その意味でドキドキしながら観てたんやけど、実際、途中までは結構怖かった。行方不明になった男の人の真相探しの展開があって、わりとミステリータッチだし、あのおじいちゃんもシリアルキラーみたいな感じだし。でも、あのチープなセイウチ人間が出てきて「よかったぁ〜。今日、怖いヤツじゃなかった」って(笑)。

小出 だからジョークの映画だよね。罠にハメられるほうの主人公(ジャスティン・ロング)がポッドキャストをやっていて、そのネタのための取材で老人に出会うっていう流れなんだけど、居酒屋でフルテンションの欧米人がしゃべり倒しているのを、そのまま映画にした感じ。エンドロールとか、まさにそういうスタンスですよーってことなんだろうなって思った。

 

C-20150807-MK-1515忘れ物をしたらしく、めずらしく小出部長の到着が遅れる。その間、劇場のチラシ置き場に自分のを入れてみてニヤリとしていたあっこちゃん。彼女は何かを確かめていたのだろうか……。

[後編](8月8日配信予定)に続く

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