お給料は?プライベートは?ハードすぎる地下アイドルの裏側に迫ってみた。

2015.07.23

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フリーライターをやっています。職業柄、地下アイドル(ライブアイドルとも言われますね)とお仕事することもそこそこあるので、実例を交えてお答えします。

前編では地下アイドルの1日のスケジュールに密着しましたが、この後編では彼女たちの裏側やモチベーションに迫っていきたいと思います。改めて今回紹介するのは、“仲睦まじく行儀良く、音楽に遊ぶ5人組の『戦国時代を知らないアイドルたち』”Hauptharmonie (ハウプトハルモニー)です。“ドイツの村娘”をイメージしたファンシーな衣装に身を包む彼女たちですが、取材の末に垣間見えたのは、なんともシビアな実情でした。

あらゆる苦難が訪れても笑顔で乗り越える彼女たちを支えるものはなんなのか。メンバーとプロデューサーのあーりーしゃんに直接答えていただきました。


アイドルと仕事の両立は大変?

──普段は何をしていますか?

アイハラエミ ケーキ屋さんとカラオケの夜勤のバイトを掛け持ちしています。

小川 花 私は結構ミステリアスなんで、「お花畑で生活しています」っていう、ウザいことを言います(笑)。

寺田珠乃 高校2年生なので学校に通っています。

相沢光梨 永遠の3歳なので幼稚園に行っています!

瀬戸ゆりな(以下瀬戸) 建築関係の会社で働いています。

──両立は大変じゃないですか?

アイハラ 世知辛いですね。東京は生きていくだけでお金がかかります。

寺田 私はそうでもないかな……完全に別物なので。

瀬戸 ヤバいですね! 楽しいこともあるんですけど、どっちつかずになってしまうこともあって……。後悔はしていないけど、反省はしています。

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──職場の方には活動のことを話していますか?

瀬戸 上司には言ってますね。最初に許可とったんで。

アイハラ ワンマンの宣伝も超してますよ。でもいまだに偏見とかすごいですね、「オタ芸とかヤバいの?」みたいなこと言われるんで(笑)。

本人の収入は? チェキバックとは?

──Hauptharmonieとしての収入は?

寺田 チェキバックがお給料です。(コンサートを)30分やっても1時間やっても、誰もチェキ撮ってくれなかったら(収入は)ゼロです。

──チェキバックとは?

小川 チェキ1枚に対するお給料のことで、グループさんによって値段(メンバーの取り分)は異なります。

──では、物販での売上は活動費になるんですね。楽曲やグッズの制作費とか、チェキのフィルム代とか。

あーりーしゃん(プロデューサー) ちなみに、出演したコンサートのチケットバックがないと、僕の運営としての収入はゼロです……。僕は『TOKYO BOOTLEG』というイベントを主催しているので、そっちの売上がメインになります。

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──客観的に見ると皆さんは順調に成功しているイメージが強いんです。5月にZepp DiverCity(TOKYO)で開催された「@JAM 2015」のオープニングアクトに選出されたり。

アイハラ 緊張し過ぎて記憶がないですね。会場のトイレも、ここを他のアイドルさんが使うと思うと入れなくて。わざわざ歩いて10分のフードコートのトイレ使いましたね(笑)。

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それでも続ける理由

──紆余曲折の末に結成1年を迎えましたが、パフォーマンス以外で“ここが成長した”と実感することはありますか?

相沢 元々ビビリで、目が悪いのに今まで目薬も差せなかったし、コンタクトもできなかったんですよ。でも、お客さんの顔が見えないと困るし、コンサートも支障が出るからやれるようになって。あと、薬が飲めるようになりました! ハルモニー始める前は風邪ひいても、寝て食べて治していたんですけど、コンサートやレッスンを欠席するわけにはいかないから、泣きながら飲んだら克服できたんですよ。これはハルモニーに入ったからこその大きな成長です!

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──インディーズだからこその苦労や、メンバーの脱退など、つらいことも多いと思うんですけど、それでもHauptharmonieを続ける理由とは?

あーりーしゃん ヒップホップとか、メタルとか、世の中から消えてしまいつつある音楽って多々あるじゃないですか。それをアイドルがやることでまた市民権を得た。僕は今35歳なんですけど、80年代のスカだったり、ギターポップ、パワーポップ、ラウド過ぎないエモの最後の世代なんですよ。このグループを私物化しているわけじゃないんですけど、Hauptharmonieを媒体として、そういう音楽が盛り上がればいいなっていうのがひとつあります。あと、こんだけインディペンデントで(何も)持ってない僕らが持っている奴らを食ってやる。今まで日の当たる場所を歩いていたわけではない、ヒエラルキーの上位にいたわけではないこの子たちの人生に勲章を掲げさせてやりてえなっていう。派手なトリックを仕掛けなくても、真っ当に音楽をやることで評価されたら、まだ世の中に望みが持てそうな気がするんですよ。自分のためでもあるし、メンバーのためでもあるし、自分を育ててくれた音楽のためでもありますね。

寺田 全部が好きだからですね! メンバーも、レディース&ジェントルマン(Hauptharmonieファンの通称)も、あーりーしゃんも、ダンスの先生も、歌もダンスも全部好きだからです!

瀬戸 メンバーが好きだからです。

アイハラ チームが好きだからですね。ハルモニーはレディース&ジェントルマンも含めてひとつのチームだと思ってるんで。

小川 私は何事も長く続いたことがないので、これが最後だと思ってやってます。

相沢 いちばん最初に運命を感じたので、これが生きる道だと思って頑張ります。

 

……話が長過ぎましたね。

たしかに地下アイドルをとりまく環境はつらく険しいものです。しかし、その最中にあるからこそ、誰かを笑顔にするために励む姿が光って見えるのです。ブームというのは、その事象に興味のないユーザーも大勢巻き込んで膨張していくものですが、そこにほんのわずかな美しいものが存在するために、諦めない人々が集うのだと思います。

TEXT BY 町田ノイズ


リリース情報

2015.07.08 ON SALE
ALBUM『Hauptharmonie』
Kindergarten / PCI MUSIC

オフィシャルサイト

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