Mrs. GREEN APPLEの挑戦。“陽”という感情をどこまで潜って表現できるのか?

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Mrs. GREEN APPLE

“楽しいことをしたい”という純粋な思いで結成された5人組バンドのMrs. GREEN APPLE。メジャーデビューを飾る、自身3作目のミニアルバム『Variety』について作詞作曲、編曲までを手掛ける大森元貴(g、vo)に話を聞いた。

INTERVIEW & TEXT BYジャガー


僕たちはポップバンドだから

──最初にこう言うのもあれですが……Mrs. GREEN APPLEはポップに見せつつ、結構毒をはいてませんか?

大森元貴 あはは、元々そういうのが好きなので(笑)。よく周りからは「ひねくれてる」って言われます。最近ではそこを武器にしちゃったら面白いんじゃないかって思ってます。

──と言いますと?

大森 まず、いい音楽ってメロディの良さやサウンドで決まってくると思うんですね。で、次のステップとして歌詞が注目される。やっぱりメロディが良くないと、耳に残らないし、そうなると歌詞も入ってこないじゃないですか。届けるために、ポップというオブラートで包みましょうと。僕たちはポップバンドだから。そこは今回特に意識していたかもしれないですね。

概念みたいなものにとらわれないように音楽をしたい

──3rdミニアルバム『Variety』は、その名の通り楽曲それぞれの個性が尊重された全6曲が揃いました。

大森 書き下ろしたのは「StaRt」と「道徳と皿」の2曲で、他は前からあったものです。今回、選曲する前から“Variety”という言葉といろんな果物がお皿の上で浮かんでるジャケットのイメージまで僕のなかにあったので、それにあわせてつじつまを合わせていくような制作でした。

──大森さんのなかにあった“Variety”とは、どこから出てきたものですか?

大森 “どこからどこまでがバンドといえるのか?”っていうのに挑戦したくて。ロックバンドではないと自分たちのことを思ってるんですけど、バンドサウンドだし、ギターはひずんでるし……そういう概念みたいなものにとらわれないように音楽をしたいって想いから出てきた言葉だと思います。

ボーカルを大切にしてください!

──1曲目「StaRt」では様々な楽器の音色をふんだんに取り入れながらも、バンドの曲として昇華していますね。

大森 フィドル、フルート、ティンパニ……鳴らしたい音を全部入れてるんですよ。実は、バグパイプを頭のリフで使ったりもしていて。頭の中で鳴っているものは全部入れちゃえ! っていう感じで後先考えず作りました(笑)。なので、「いろんな音入れ過ぎちゃったなぁ……」って不安があったんですけど、そこはメンバーが引き算足し算をうまくやってくれました。

──再現性を考えると苦労しそうですが、単純に疾走感ある曲なので、ライブ映えしそうですね。

大森 そうですね。これまでのライブでキャッチしたことを全部曲にしようと思って書いた曲なので、ライブのために作ったといっても過言じゃないです。ワードを詰めたし、展開も目まぐるしく変わるし、BPMも速い。「StaRt」はいかに情景を共有するかがすごく大事だったので、全員で台本の読み合わせみたいに歌詞の読み合わせをしたんですよ(笑)。

──そのおかげなのか、これだけいろんな要素が混在しているのに、歌はすごくクリアに響いてきました。

大森 結成当初に「ボーカルを大切にしてください!」とメンバーに伝えたぐらい、Mrs. GREEN APPLEが大事にしているのは、歌と歌詞なんです。そこがダメだったら、どんなに曲が良くても“音楽”ではなくて“サウンド”になってしまうので。

大きな意味でラブソングかなって

──言葉に注目すると、「VIP」はかなり攻撃的かと。

大森 この先もっと“陽”を表現するには、対となる“陰”も必要だと思って。ちなみに、これは僕からの一種のラブソングです。この曲で傷ついたり、耳が痛いなって感じてしまう人は、図星だったり、思い当たる節があるってことで。それって心に棘が出来てしまっているサインなんですよね。そのサインを見逃さずにいてほしい。自分が憎まれ役になってもいいから、伝えたかったことですね。心に棘が出来てしまった人のためを想って作った曲なので、大きな意味でラブソングかなって。あと、「L.P」はバラードのつもりで書きました。気持ちのうえでバラードといいますか。

──感情を揺さぶるもの、という意味ですか?

大森 そうですね。音が静かなだけがバラードじゃないと思うんです。今のところ周りからは全否定されますが……うん、バラードです。

「道徳と皿」の存在はすごく重要だった

──今作のために書き下ろされた「道徳と皿」についてはいかがですか?

大森 これは歌詞で苦労しました。「道徳と皿」というタイトルは先に考えていたんですけど、それに見合った言葉が出てこなくて。実は、1stミニアルバム『Introduction』、2ndミニアルバム『Progressive』、そして『Variety』が揃うことでMrs. GREEN APPLEと呼べる、3部作を完結させたかったので、「道徳と皿」の存在はすごく重要だったんです。『Variety』を締めくくりながらも、3部作の終わりとこの先へ繋がる余韻を出したかったので、最終的にはいろんな解釈ができるこの歌詞にしました。

──9月には自身初のワンマンライブが決定。この3部作がどのように表現されるのか楽しみです。

大森 Mrs. GREEN APPLEにとって初めてのワンマンであり、僕の人生でも初のワンマンなんですよ。ライブハウスに行くようになったのも、Mrs. GREEN APPLEを組んでからだし、本当に楽しみです。どうなるか考えるとうれしさと恐怖もあるんですけど……頑張ります!


リリース情報

2015.07.08 ON SALE
MINI ALBUM『Variety』
EMI RECORDS
¥1,700+税
詳細はこちら


ライブ情報

Mrs. GREEN APPLE presents「Mrs. ONEMAN LIVE ~武装と創と造~」
09/26(土)東京・渋谷WWW
詳細はこちら


プロフィール

ミセスグリーンアップル/大森元貴(g、vo)、若井滉斗(g)、山中綾華(ds)、藤澤涼架(key)、髙野清宗(b)。2014年7月5日にライブ会場限定で1stミニ・アルバム『Introduction』を発売。そして、今回紹介した3rdミニ・アルバム『Variety』にてメジャー・デビューを果たした。

オフィシャルサイト

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    ジャガー

    「M-ON! MUSIC」の編集/ライター/小言を言う係。音楽フリーペーパー「music UP's(現okmusic UP's)」の編集を経て、音楽雑誌「ワッツイン」へ。前身サイト「DAILY MUSIC」 への参加をきっかけにWEBの人になりました。