月刊 レジーの「Mステ」定点観測 〜2015年5月放送分【前編】〜

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Mステの放送内容を基に最新のJ-POP事情についてお届けするこの連載。5月に放送されたMステは全部で5回。つまり、毎週休みなく放送されました。盛りだくさんだった今月のMステについて、気になったトピックを前後編でお届けします。

なお、今月のMステにはAKB48が2回出演していましたが、彼女たちにとってのビッグ・イベント「AKB48 41stシングル 選抜総選挙」がいよいよ迫ってきました。6月6日(土)に行われるこのイベントをより楽しむための解説記事をふたつアップしておりますので、そちらも合わせてお楽しみください。

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まずは、相変わらずたくさん出演していたあの事務所の方たちの話題からどうぞ。

 

◎堂本 剛、A.B.C-Z:ジャニーズのいろいろな形

今月は全部で6組出演していたジャニーズ事務所のアーティストですが、ここではそのうちのふたつについて取り上げたいと思います。5月15日に出演していたA.B.C-Zは、自身にとって初のオリコン1位を獲得したアルバム『A.B.Sea Market』の1曲目に収録されている「Shower Gate」を披露。彼らの代名詞となっているアクロバットが惜しげもなく披露されていましたが、個人的には大人っぽいソウル・テイストの楽曲が気になりました。古くは少年隊の「湾岸スキーヤー」(山下達郎の楽曲のカバー)、最近の曲では以前この連載でも取り上げたKAT-TUNの「WHITE LOVERS」など、ジャニーズのグループが歌うこの手の都会的なソウル・ミュージックはとても好きです。

一方、5月22日に出演した堂本 剛が歌った「恋にも愛にも染まるような赤」はより土着的な匂いのするファンクで、彼自身の作詞作曲によるもの。ひとりのミュージシャンとしての姿もだいぶ板についてきた感じですが(ソロ・アルバムは、「恋にも愛にも染まるような赤」が収録されている『TU』で9作目。名義違い含む)、元はと言えばテレビ番組「LOVE LOVEあいしてる」でギターを習ったのがきっかけで彼はここまで音楽にのめりこんだんですよね。あの番組はリアルタイムで観ていましたが、この人がミュージシャンとしてここまで存在感を示すようになるとはまったく思っていませんでした。まさに継続は力なり。

 

◎ゲスの極み乙女。、KANA-BOON、the telephones:現在進行形とパイオニア

5月1日に出演したゲスの極み乙女。はコカ・コーラのCMソングとしてもお馴染みの「私以外私じゃないの」を披露。気持ちの良いメロディにテクニカルな演奏が絡むこの楽曲は昨今の若手バンドの中で完全に頭ひとつ抜け出た存在であることを誇示するような出来映えですが(アウトロの複雑な展開など、勢い一発のロック・バンドには絶対できないであろう仕掛けがびっしりあります)、先日びっくりしたのは甘 利明経済財政相がマイナンバー制度の告知記者会見で「私以外私じゃないの 当たり前だけどね だから、マイナンバーカード!」と口ずさんでいたこと。誰が入れ知恵したのか不明ですが、普段あまりポリティカルなことをコメントしない彼らは自らの楽曲の「政治利用」にどんな感想を持ったのでしょうか。

ゲスの極み乙女。と同じく現在のロック・シーンを盛り上げているKANA-BOONは5月15日に出演し、アネッサのCMソングとなっている「なんでもねだり」をパフォーマンスしました。ゲスの極み乙女。がいわゆる「四つ打ちロック」の磁場から離れていろいろな音楽性を表に出しつつあるのに対して、KANA-BOONはこれまでの自分たちのアプローチをさらに突き詰める方向に進んでいる感じなのが面白いです。

5月8日には最近のトレンドである「オーディエンスをとにかくアゲる、踊らせる」という取り組みをKANA-BOONやゲスの極み乙女。よりも前から行ってきたthe telephonesがMステ初出演。今年いっぱいでの活動休止を発表している彼らは、バンドのファンを前にして代表曲「Monkey Discooooooo」を演奏しました。現在のフェスやライブの光景、およびそこで音楽を鳴らしているバンドに有形無形の影響を与えている彼らがMステというお茶の間向けのテレビ番組に出演したというのはとても意味のあることのように思います。日本におけるポップ・ミュージックのいろいろな文化をまとめて紹介できる懐の深さこそがこの番組の存在意義。

 

前編はここまで。後編ではメジャー10周年を迎えたグループや、ワンランク上の人気を目指してMステに乗り込んできたアーティストなどについて取り上げます。後編の更新まで今しばらくお待ちください。

TEXT BY レジー(音楽ブロガー)

【2015年5月1日放送分 出演アーティスト】
Hey! Say! JUMP「Chau♯」
剛力彩芽「ワガママは大事な人」
ゲスの極み乙女。「私以外私じゃないの」
シャーロット・ケイト・フォックス「ゴンドラの唄」
コラブロ「STARS」
西野カナ「もしも運命の人がいるのなら」
Perfume「Relax In The City」

【2015年5月8日放送分 出演アーティスト】
GENERATIONS from EXILE TRIBE「Evergreen」
V6「Timeless」
LiSA「Rising Hope」
藍井エイル「IGNITE」
Superfly「Beautiful」
the telephone「Monkey Discooooooo」

【2015年5月15日放送分 出演アーティスト】
A.B.C-Z「Shower Gate」
高畑充希&城田 優「夢はひそかに(Duet version)」
AKB48「僕たちは戦わない」
西内まりや「ありがとうForever…」
KANA-BOON「なんでもねだり」
flumpool「とある始まりの情景 〜Bookstore on the hill〜」
嵐「青空の下、キミのとなり」

【2015年5月22日放送分 出演アーティスト】
E-girls「Anniversary!!」
AKB48「僕たちは戦わない」
Perfume「Pick Me Up」
back number「SISTER」
堂本 剛「恋にも愛にも染まるような赤」
チャットモンチー「こころとあたま」

【2015年5月29日放送分 出演アーティスト】
いきものがかり「あなた」
BREAKERZ「WE GO」
ゴールデンボンバー「死 ん だ 妻 に 似 て い る」
星野 源「SUN」
関ジャニ∞「強く 強く 強く」
Superfly「Beautiful」

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