脳科学者・茂木健一郎が語る「外国語を音楽」ってなんだ?

2015.05.10

brain

外国語を音楽として捉えれば、上達も早くなる?

青春時代、どうして言葉の意味がわからない洋楽があれほどまでにカッコよく感じたのだろうか? 歌詞のある音楽はその意味を理解して初めてその魅力に気づきそうなものなのに、外国語の持つ神秘性にヤラれてしまっていたのだろうか?

その答えのヒントを、脳科学者の茂木健一郎氏が動画「ハードトーク」シリーズで“外国語を音楽として聴く”という切り口で語っている。そこには脳科学者らしい斬新な視線と、目から鱗の発見があった。

◎ハードトーク・知と愛 s1e11『外国語を音楽として聴く』

イタリアに来てまだ3日目だという茂木氏は、「相変わらずイタリア語がわかりません。ただ、イタリア語の独特のイントネーションとかリズムとか、音楽としては聞こえているんですね。言葉には意味や文法を超えて、音楽としての性質があります」と語り出す。子供は生まれ落ちた国の母国語を聞くときに、最初は音楽として聴いているのではないだろうか? と疑問を投げかけ、外国語の習得の際に音楽としての言葉を身に付ける重要性を説く。

なかでも、目を引いたのは「イタリア語の演奏家」という表現。言葉の話し手を演奏家になぞらえ、「イタリア語のミュージシャンとしての演奏はなかなか難しいが、少なくともリスナーとしてはかなり肥えてきた」と独特の表現で語学習得の状況を例える。イタリア語は音楽として聴くと本当に素晴らしく、意味がわからなくても、言葉の調べについ耳を傾けてしまうんだそうだ。たしかに意味がわからなくても音楽として慣れ親しむというのが、外国語習得の近道なのかもしれない。

そんな茂木氏の主張を聞いたときに思い出したのが、茂木氏が以前世の中に広めた概念、“クオリア”だ。感覚器が捉える“感じ”を指すクオリアは、聴覚からも豊富にもたらされることが知られている。音楽を聴いたときに受ける独特の感覚は“クオリア”が正体なのだ。

ついつい夢中になると我を忘れてしまう音楽鑑賞。好奇心が赴くままに追求してしまいがちだが、ときには立ち止まって「どうして好きなんだろう?」を考えるのも悪くない。茂木氏のような新しい視点が音楽の楽しみ方をグッと広げてくれるのだから。

PHOTO: © efks – Fotolia.com

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