距離を超えて数千人が歌う“バーチャル合唱団”がすごい!

2015.05.06

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オンラインで作り出す新時代の合唱スタイル

2011年、“バーチャル合唱団”のプロジェクトがTEDの主催する世界規模の講演会「テド・カンファレンス」で話題を呼び、世界中から注目されるようになった。“バーチャル合唱団”とはその名の通り正式な合唱団ではない。所在も国籍も年齢も職業もバラバラな人々が歌う動画を重ね合わせ、現実には存在していない合唱を作り出している。

このプロジェクトを行ったのはアメリカ・ネバダ州出身の作曲家兼指揮者であるエリック・ウィテカー。主に合唱曲や吹奏楽曲を手掛けており、パート分割が繊細な曲を特徴としている。
エリックは自身の曲の譜面と、指揮の動画をウェブ上で公開し、世界中の人々に参加してくれるように呼び掛けた。するとエリックの指揮に合わせて歌った動画が次々とYouTubeに公開されていったのだ。

◎Eric Whitacre’s Virtual Choir 2.0「Sleep」

テド・カンファレンス「2000の歌声でつくるバーチャル合唱団」で紹介された合唱の完全版。世界58ヵ国、1752人が参加し、2052本のビデオから制作された。エリックは自分のファンがこの曲を歌っている動画をYouTubeで見て、“バーチャル合唱団”の発想を得たんだそう。

◎Eric Whitacre’s Virtual Choir 4「Fly to Paradise」

2.0からパワーアップした第4弾。世界101ヵ国、5905人が参加し、ビデオの総数は8409本にもおよぶ。動画の再生回数は2015年4月現在で111万回を超えている。電子音やリズム楽器が加わり現代的なアレンジが新鮮。

これらの動画だけでも十分新しい試みといえるが、エリックはさらなる高みを目指し、“バーチャル合唱団”を編集ではなくリアルタイムで実現し、テド・カンファレンスで2回目の講演を行っている。ステージ上の合唱団とスカイプで繋がる世界30ヵ国、32人の歌手による合唱を成功させた。

◎エリック・ウィテカー:バーチャル合唱団ライブ

す、すごい迫力……。これはオクタビオ・パスの詩に、エリックが作曲した「豪雨」という作品だが、海外通信によって生まれる1秒未満の時間差を考慮し、ぴったり合わなくてもいいように編曲されているんだとか。後半のフィンガー・スナップ(指パッチン)などの演出は必見だ。

2014年には世界中の18歳の少年少女2292人から成る合唱を発表するなど、エリックの活動の広まりはとどまることを知らない。技術を最大限に利用した新しい音楽の形に今後も目が離せない!

 

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