lyrical schoolツアー最終日。現体制では残り少ないライブで、彼女たちは何を伝えるのか【ライブレポート】

lyrical school
lyrical school tour 2016“guidebook”
2016年12月29日@Zepp Tokyo

2017年2月末をもって現体制での活動を終了する5人組ヒップホップアイドルユニットのlyrical schoolが、12月29日 Zepp Tokyoにてワンマンライブを開催した。架空の町である東京・けやき町を舞台にしたメジャー1stアルバム『guidebook』を引っさげた全国6都市レコ発ツアーのファイナル公演だが、ライブを観るまでは、多少の不安も感じていた。彼女たちはいったいどんなモチベーションでステージに望むのか、と。

TEXT BY 永堀アツオ
PHOTOGRAPHY BY 沼田 学


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2010年に“tengal6”名義で活動をスタートした彼女たちは、2012年にユニット名を“lyrical school”に改め、2016年4月に1stシングル「RUN and RUN」でメジャーデビュー。同曲は、スマートフォン視聴に特化した縦型の斬新なミュージックビデオが大きな話題を集め、順風満々な出発を果たした。

しかし、ここにいたるまでに何度かのメンバーチェンジを経ている。さらに、体調不良で休養していたオリジナルメンバーのyumiが9月に脱退。11月には1stアルバムをリリースしたが、レコ発ツアー中の12月21日に、オリジナルメンバーであるami、ayaka、meiの卒業を発表。同時に、2013年7月に加入したminan、インディーズ最後の年である2015年12月に加入した最年少のhimeを中心とした新体制による活動開始も発表された。すべて一年間の出来事である。

だからこそ、チームはすでにバラバラになっているんじゃないか? と心配していたが、それは杞憂にすぎず、メンバー5人が同じ方向を見ていないと実現できない、エンターテインメントショーとなっていた。

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この日、彼女たちが見せてくれたのは、けやき町に点在するスポットや四季折々で変化する景色、その町に住む住人たちの喜怒哀楽だった。開演時間と同時に暗転すると、ステージ上にけやき町の住人が現れ、忙しそうに行き来し始めた。やがて、ひとりの女性が立ち止まり、携帯を取り出し、“GOLDEN CRUSIN’ TAXI”に電話をする。

タクシーのカーステレオから流れてきたのは、アルバムの実質的な1曲目「GOLDEN」だ。アカペラによって街の光を灯した彼女たちは、リリスクの「プレイルーム」へと誘い、韻シストがトラックを制作し、KANDYTOWNの呂布がリリックを手がけた「おしえて」では、ayakaが“明かり消えるまで夢を見せてね”と歌い、客席からは大きな歓声が上がった。

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hime

「DO IT NOW!」「Maybe Love」「brand new day」と観客をジャンプさせたアップナンバーばかりの第一幕は、新しい季節に飛び出す勢いと弾力性に満ちた“春”を表現されていた。

amiの「みんなが見えた瞬間にうれしくてニコニコが止まらないです」というMC を挟み、「そりゃ夏だ!」から季節は夏へ。minanがファルセットを響かせた「FRESH!!!」、ayakaが“ずっと今日のこと忘れないと思うんだ!!”と叫び、客席ではリフトも起きた「サマーファンデーション」。meiが台に乗って宣誓した「wow♪」のokadada remixを経て、5人でハンドウェーブを作った「Avec Summer」で、スロウダウン。“一分一秒でも長く”と声を揃えた「マジックアワー」が、夏の終わりと秋の始まりを告げた。

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ami

けやき町には雨が降り始め、傘をさす通行人が行き交うステージで「ひとりぼっちのラビリンス」「P.S.」と、どうしようもない孤独感や喪失感を込めた、切なくて泣けるバラードラップをパフォーマンス。「もし」で、ひとり、またひとりと拳が上がり始め、「恋わずわず」でクリスマスシーズンが到来。meiの「まだまだ楽しいパーティーは続いていくからね」という煽りを合図に、「おいでよ」「プチャヘンザ!」とタオル回し曲で会場の熱気を再び上げ、忘年会のような大騒ぎの中、けやき町のカレンダーは12月を迎えた。

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mei

ここで、スクリーンには100年後のけやき町が映し出された。minanが繰り返す“いつかまたこの場所で”というフレーズに、4人がそれぞれ、ダンスを、ラップを、ステップを、最高の曲を、と返し、ayakaが 今でも“ラップをするのは楽しいです!”と、この日、二度目になるお馴染みのセリフに感情をたっぷりと込めてシャウト。

minan

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そして、メジャーデビュー曲で、アルバムのラストを飾った「RUN and RUN」へ。この日のセットリストは、アルバムと同じ流れの中にインディーズ時代から人気のライブ曲を挟んだ構成で、その世界観にブレはなかった。最後に、観光に訪れたけやき町で記念撮影をするかのように、5人で手を繋ぎながら「photograph」を歌い、観客も含めた全員でジャンプして本編の幕は閉じた。

ayaka

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アンコールでは、サイリウムで満たされた場内を見渡したmeiが「素敵な景色だ」とつぶやき、インディーズ時代のシングル曲を4曲立て続けに披露。名曲「ワンダーグラウンド」での“ここでずっと踊っていたい/笑っていたい”というフレーズは、彼女たちの嘘偽りない本音だろう。この日、観客の一人ひとりと目を合わせるかのようにパフォーマンスしていた彼女たちは、つねに笑顔で、どこか晴れ晴れとした表情さえ見せていた。その眼差しからは、何かが終わっていく悲しみよりも、何かが始まっていく希望を強く感じた。

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最後のMCで5人で最後のワンマンライブが2月26日に新宿BLAZEで開催されることが発表された。meiは「2月末まで現体制でのリリスクを目に焼き付けて」と語り、minanは「いっぱい会いにきてください」と続けた。残りはあと2ヵ月しかないが、彼女たちが言う通り、5人が楽しそうにラップし、歌い、踊り、飛び跳ね、ステージ上で光り輝く姿をしっかりと目に焼きつけたいと思う。

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SETLIST

01.GOLDEN
02.プレイルーム
03.流れるときのように
04.おしえて
05.DO IT NOW!
06.Maybe Love
07.Brand new day
08.そりゃ夏だ!
09.FRESH!!!
10.サマーファンデーション
11.Wowwow♪ okadada remix
12.Avec Summer
13.マジックアワー
14.ひとりぼっちのラビリンス
15.P.S.
16.リリシスト
17.もし
18.恋わずわず
19.おいでよ
20.プチャヘンザ!
21.ラストソング
22.RUN and RUN
23.photograph
[ENCORE]
01.わらって.net(アルバムver.)
02.リボンをきゅっと(short)
03.PARADE
04.ワンダーグラウンド


リリース情報

2016.11.16 ON SALE
ALBUM『guidebook』
KING RECORDS

 

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