【2016年に最も読まれたオトネタ第3位】驚愕の宇多田ヒカル出演、タモリのSMAPへの愛、Mステ特番「ウルトラFES」を全部観たらスゴかった

音楽やアーティストにまつわる事柄をお届けしている「オトネタ」の中で、2016年に多くの読まれたものをベスト10形式で再掲載します!


音楽ブロガー・レジーが、「ミュージックステーション」の放送内容を基に最新のJ-POP事情についてお届けする連載「月刊 レジーのMステ定点観測」。9月のMステは2回の通常放送(12日、19日)に加えて、19日には昨年に引き続いて10 時間の生放送「ウルトラFES」がありました。前後編でお届けする今回ですが、[前編]ではそのウルトラFESについてお届けしたいと思います。

 

総評:懐メロ、キャラクター、テクノロジー……今の日本を体現した「ウルトラFES」

昨年は「Mステ初の大型特番」ということ自体にニュース性がありましたが、2回目となる今回は番組自体にそれほどの目新しさはありません。そういう状況において、いかにマンネリ化せずにMステらしいプログラムを作るのか? そんなことに注目していた今回のウルトラFESですが、「国民的音楽番組」らしいアプローチが随所に見られた構成となっていました。

特筆すべきは番組としての「対象年齢」の広さ。例えば、昨年に続いて行われた「ウルトラHDリマスター(過去の映像を最新技術で美しく甦らせる)」企画において取り上げられていたのは植木等「スーダラ伝説」、安室奈美恵「CAN YOU CELEBRATE?」、石原裕次郎「BEYOND THE REEF」、坂本九「上を向いて歩こう」の4曲。安室ちゃん以外はずいぶんと古い楽曲が取り上げられていました(個人的にはちょっと古すぎて面喰いましたが……)。

その一方で、ミッキーとその仲間たちの出演やクレヨンしんちゃん、ドラえもんとのコラボなど、子供が観ても楽しめるキャラクター関連企画も多数準備。狭い意味でのJ-POPだけでなく、より昔の音楽やアニメなども含めて「日本の大衆文化」を表現しようという心意気を感じました。

また、キャラクターコラボにおいてもクレヨンしんちゃんのアニメーションが実際のスタジオの様子と同期するような演出や、三代目J Soul Brothers「R.Y.U.S.E.I.」のステージでは「ダンシングタモリ」と称されたARキャラがメンバーたちと一緒にランニングマンをかますなど、今の時代らしいテクノロジーの導入も見られました。

日本がこれまで蓄積してきた資産と最新鋭の技術をうまく融合させてひとつのショーに仕立てる、という方向性は図らずも先日のリオ五輪閉会式での東京五輪への引き継ぎパフォーマンスともリンクしていてなかなか興味深かったです。

そんな全体の雰囲気を踏まえたうえで、ここからは個別のアクトについて印象に残っているものを紹介していきたいと思います。

 

宇多田ヒカル:ただただありがたく拝見させていただきました

今回のウルトラFESの最大の目玉とも言える宇多田ヒカルの活動再開後初のパフォーマンス。生放送で進む番組の流れとは別に、事前に撮影された模様が流されるという形となりました。最初は「なんだ生ではやらないのか」と一瞬がっかりしたのですが……観終わった後には「あ、この形で良かったんだな」と思いました。

歌われたのは2012年にリリースされたバラード「桜流し」でしたが、楽曲の緊張感にせよそこに乗るボーカルの強さと儚さにせよ、そこまで出演してきたアーティストたちの雰囲気と違いすぎる……あれを生放送でやっていたら、あまりにもすごすぎてスタジオ全体が変な空気になっていたと思います。「ついに宇多田ヒカルが帰ってきた! しかももっとすごくなってる!!」と興奮せずにはいられないパフォーマンスでした。

直前に放送されたトークパートは誰もいないスタジオにタモリとふたりきりで、あたかも「笑っていいとも!」のテレフォンショッキング的な趣。いろいろと興味深い話がありましたが、宇多田ヒカルのMステ初回出演時の思い出話(その日の放送後にタモリと彼のマネージャーが「良かったよね、あれ」と語らいながら焼き鳥を食べたとのこと)がとても良かったです。

 

SMAP(出演なし):Mステからのメッセージの集大成

ウルトラFESの柱企画でもあった「日本に影響を与えた曲ベスト100」。例によってよくわからないランキングではありましたが、1位に輝いたのはSMAP「世界に一つだけの花」。以前こちらの連載においてもSMAPについて何かしらのメッセージを発するような番組の姿勢を取り上げたことがありましたが、今回はさらに踏み込んだ形で彼らの功績をたたえる手を打ってきました。

他のテレビ局の大型歌番組については「SMAPが出演しないこと」がニュースとして取り上げられましたが、さすがMステ、このネタへの取り組み方にも明確な意思が感じられます。ランキング発表後にはタモリが「やっぱりSMAP1位なんだね」とコメントしていましが、「やっぱり」という部分に愛情がこもっていたように思います。

 

星野 源:思わぬトラブルと後日談

すっかりこの手の大型歌番組の定番出演者となった星野 源。Mステにも何度も出演しておりタモリも認識しているはずが、この日はなぜかタモリが「続いては星野源太くん」と名前を間違って紹介。思わぬ凡ミスに珍しくタモリも狼狽していました。

そんな状況を逆手に取った星野源、「SUN」の歌唱前に「こんばんは、星野源太でーす!」とにこやかにあいさつ。完全にテレビ慣れしている感じに頼もしさを覚えるとともに、あまりの自然さにほんの少しだけイラッときました。

ちなみにここでは元気に振舞っていた星野 源ですが、この後のどの調子が悪化してしまったそうでその日の夜の「オールナイトニッポン」を欠席。主演ドラマも始まりますます忙しくなりそうなタイミングですが、無理だけはしないでほしいです。その日の代役は急遽Perfumeが務めました。

Perfume:またも観せてくれた「時代の最先端」

そのPerfumeがこの日披露したのは「Spending All My Time」。彼女たちのライブ演出を手掛けるライゾマティクスとのコラボによる最新技術「ダイナミックVRディスプレイ」を駆使したステージとなりましたが……これがまた圧巻でした。平面のスクリーンに関わらず、映し出されているものが立体に見えるという一度聞いただけではよく仕組みのわからないもの。

宙に浮いている状態で3人が踊っているような不思議な感覚を体験しました。まもなく始まるドームツアーでもこういったまだ見ぬテクノロジーがお披露目されるのか、とても楽しみです。

[前編]はここまで。[後編]では通常放送の模様についてお届けします。10月14日(金)の配信をお待ちください!

TEXT BY レジー(音楽ブロガー、ライター)

 

【2016年9月19日放送分 出演アーティスト】
ジャニーズWEST「ええじゃないか」
A.B.C-Z「Za ABC〜5stars〜」
Sexy Zone「Sexy Zone」
ももいろクローバーZ「Z伝説〜終わりなき革命〜」
モーニング娘。’16「LOVEマシーン(updated)」
ゴールデンボンバー「女々しくて」
観月ありさ「伝説の少女」
森高千里「気分爽快」
HKT48「スキ!スキ!スキップ!」
NMB48「絶滅黒髪少女」
SKE48「強き者よ」
PUFFY「アジアの純真」「これが私の生きる道」
ウルフルズ「バンザイ 〜好きでよかった〜」
GENERATIONS from EXILE TRIBE「ALL FOR YOU」
E-girls「ごめんなさいのKissing You」
矢野顕子「春咲小紅」
森山直太朗「夏の終わり」「涙そうそう」
森山良子「この広い野原いっぱい」「涙そうそう」
My Little Lover「Hello, Again 〜昔からある場所〜」
JUJU「六本木心中」
BEGIN「海の声」
西野カナ「トリセツ」
木村カエラ「Butterfly」
AI「Story」
秦 基博「ひまわりの約束」
スキマスイッチ「奏(かなで)」
ポルノグラフィティ「アゲハ蝶」
槇原敬之「もう恋なんてしない」
乃木坂46「ぐるぐるカーテン」
Cocco「強く儚い者たち」
JUJU「ビッグバンドビートメドレー」
山崎育三郎「ビッグバンドビートメドレー」
miwa「360°」
SEKAI NO OWARI「RPG」
back number「高嶺の花子さん」
YEN TOWN BAND「Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜」
いきものがかり「SAKURA」
aiko「ボーイフレンド「あたしの向こう」
Perfume「Spending all my time」
Kiroro「未来へ」
きゃりーぱみゅぱみゅ「キミに100パーセント」「つけまつける」
THE YELLOW MONKEY「BURN」「LOVE LOVE SHOW」
星野 源「SUN」
平井 堅「楽園」
尾崎裕哉「I LOVE YOU」
松本孝弘「#1090 〜Million Dreams〜」
三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE「J.S.B. DREAM」「R.Y.U.S.E.I.」
ミッキーマウスとディズニーの仲間たち「ディズニースペシャルメドレー」
桐谷健太「海の声」
Kis-My-Ft2「SHE! HER! HER!」「Everybody Go」
Hey! Say! JUMP「Ultra Music Power」「Ride With Me -2016-」
関ジャニ∞「浪花いろは節」「無責任ヒーロー」
NEWS「希望〜Yell〜」「ONE -for the win-」
AKB48「ヘビーローテーション」「恋するフォーチュンクッキー」「365日の紙飛行機」
嵐「A・RA・SHI」「果てない空「Sakura」
宇多田ヒカル「桜流し」
浜崎あゆみ「M」「SEASONS」「evolution」
KinKi Kids「硝子の少年」「Anniversary」
V6「MUSIC FOR THE PEOPLE」「Darling」
TOKIO「AMBITIOUS JAPAN!」「LOVE YOU ONLY」
福山雅治「milk tea」「虹」「桜坂」

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